トラックの設定の変更

プロジェクトの各トラックには各種のMIDIデータやオーディオデータの他に、それらをどのように再生するかについての設定（トラックパラメーター）も含まれています。それらの設定を変えることで、再生される音を変えることができます。オーディオトラックの場合は、ボリューム、パン、アウトプット（出力先）があります。MIDIトラックの場合、トラックに保存されているノートを再生するために使用されるインストゥルメントサウンドのタイプなど、ほかにもコントロールできるパラメータがたくさんあります。両方の種類のトラックにはオートメーションの再生ボタン とオートメーションの記録ボタン があり、それぞれのボタンでオートメーションの再生と記録のオンとオフを切り替えます。

メモ1：コンソールとトラックビューにあるすべてのスライダーとつまみをマウスでクリックすると、マウスホイールを使って調節することができるようになります。ただしマウスのフォーカスを変えてしまうと、ホイールでは操作できなくなります。これにより、スライダー/ノブをマウスホイールで操作する前に、スライダー/ノブをクリックする操作が必要です。

メモ2：トラックビューのトラックおよびバスストリップにあるコントロールの表示と非表示を切り替えることができます。また、お気に入りのコントロールレイアウトをプリセットとして保存できます。詳細については、トラックの表示設定を変更するを参照してください。

オーディオトラックのパラメーター

オーディオトラックストリップにある各種パラメーターは以下のとおりです。各パラメーターはコンソールビューおよびトラックインスペクタでも操作可能ですが、以下の画面はトラックビューのものです。一部のパラメーターは、コンソールビューまたはトラックインスペクタでのみ利用可能です。

図83. オーディオトラック

図84. オーディオトラックヘッダーのコントロール

A：トラックの色 B：トラック番号 C：ヘッダーアイコン D：トラック名 E：ピーク値 F：最大化/元にもどす G：メーター

 

メモ：トラック表示部の幅が広い場合は、ミュート/ソロ/録音待機の各ボタンがヘッダーバーに表示されることがあります。

図85. オーディオトラックのコントロール

A：トラック番号 B：トラック名 C：編集フィルター D：ミュート E：オートメーションの再生 F：ソロ G：オートメーションの記録 H：録音待機 I： フリーズ J：インプットモニター K：アーカイブ L：ピークレベル M：トラックを折りたたむ/展開する N：トラックアイコン O：WAI表示 P：トラックの色 Q：テイクレーン R：オートメーションレーン S：ボリュームスライダー T：インプット U：アウトプット V： パンスライダー W：FXラック X：メーター

図86. オーディオトラックのFXラック、メーター、トラックスケール

A：プラグイン有効/無効 B：プラグイン名 C：クリックして新しいプラグインを挿入

オーディオトラックには以下のパラメータがあります。

表 28.  

パラメーター	内容
番号	各トラックに自動的につけられる番号。
名称	トラックの名称。任意の名前を付けることが可能。トラック名の初期値はトラック番号になります。トラックの順番を変えるとトラック番号は変わります。
ミュート	トラックをミュートにする（オンの場合）。
ソロ	クリックするとトラックがソロの状態になります。
録音待機	録音待機状態にする（オンの場合）。
インプットモニター	インプットモニターのオン/オフを切り替え。
アーカイブ	トラックは再生されず、有効にするには再生を停止する必要があります。トラックをアーカイブすると、再生時にCPUの負担はかからないので、異なるテイクを保存するために使用できます。
オートメーションの再生/記録	再生時にオートメーションを反映させる、コントローラの操作をオートメーションとして記録する機能のオンオフを切り替えます。
ピーク値	トラックレベルのピーク値を表示します。
テイクレーン	テイクレーンの表示/非表示を切り替えます。
オートメーションレーン	オートメーションレーンの表示/非表示を切り替えます。
折りたたむ/展開する	トラックを展開してコントロールをさらに表示するか、トラックを折りたたんでヘッダーバーのみを表示します。
編集フィルター	グローバルツールを適用するデータの種類を指定します。
ボリューム（Vol）	トラックの再生レベル調節。-INF（無音）～+6dBまで調節可能。
パン	ステレオの定位調節。100%L（左いっぱい）～100%R（右いっぱい）まで調節可能。Cは中央。ステレオトラックでは、バランスとして機能します。
ゲイン	トラックの再生レベル微調節に使用する。ゲインはボリュームとは独立していて、ボリュームよりも前に機能します。 たとえば4つのトラックを使用していて、トラック間のバランスをとってみたところ、あるトラックだけボリュームフェーダーの位置が-10dBで、他のトラックは0dBだったとします。これらのトラックのボリュームをグループ化して一度に操作するような場合には、ボリュームフェーダーが-10dBになっているトラックのボリュームを0dBまで戻し、代わりにゲインを-10dBに調節します。
インプット	録音やインプットモニターをするときのオーディオデータの入力ポート。
アウトプット	トラックのデータの出力先。
センドオン（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックからバスへのセンドを有効にします。
センドレベル（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックからバスへ送るレベルの調整。
センドパン（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックからバスへ送る信号の左右のバランス調節。
プリ/ポスト切り替え（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	センド信号を取り出す位置（プリフェーダー/ポストフェーダー）の切り替え。
センド先（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	センド先のバス名を表示。
モノ/ステレオ（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックのデータを、モノとして扱うか、ステレオとして扱うかの指定。
位相切り替え（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	オーディオデータの位相反転。
FXラック	トラックで使用するプラグインエフェクトの指定。
メーター	録音/再生レベルメーター
WAI表示	トラックがコントロールサーフェスでコントロールされている場合に色分けされたバーを表示します。
トラックの色	トラックの色パレットが開き、トラックごとに任意の色を指定することができます。

トラックインスペクタにあるオーディオトラックのコントロールの詳細については、オーディオトラックのコントロールを参照してください。

コンソールビューにあるオーディオトラックのコントロールの詳細については、オーディオトラックのコントロールを参照してください。

MIDIトラックのパラメーター

以下の図に、MIDIトラックにあるパラメーターを示します。

図87. MIDIトラックヘッダーのコントロール

A：トラックの色  B：トラック番号  C：ヘッダーアイコン  D：トラック名  E：最大化/元にもどす  F：メーター

 

メモ：トラック表示部の幅が広い場合は、ミュート/ソロ/録音待機の各ボタンがヘッダーバーに表示されることがあります。

図88. MIDIトラックのコントロール

A：トラック番号 B：トラック名 C：編集フィルター D：ミュート E：オートメーションの再生 F：ソロ G：オートメーションの記録 H：録音待機 I：インプットモニター J：アーカイブ K：トラックを折りたたむ/展開する L：トラックアイコン M：WAI表示 N：トラックの色 O：テイクレーン P：オートメーションレーン Q：ボリュームスライダー R：インプット S：チャンネル T：パッチ U：ベロシティ+ V：アウトプット W：バンク X：パンスライダー Y：FXラック Z：メーター

図89. MIDIトラックのFXラックとトラックスケール

A：トラックスケール B：MIDI FXラック

各種のMIDIトラックとその使い方が、以下の表にまとめられています。

表 29.  

パラメーター	内容
トラック番号	各トラックに自動的につけられる番号。
トラック名	トラックの名称。任意の名前を付けることが可能。トラック名の初期値はトラック番号になります。トラックの順番を変えるとトラック番号は変わります。
ミュート	オンにすると、トラックがミュートされます。
ソロ	クリックするとトラックがソロの状態になります。
録音待機	クリックするとMIDI録音待機状態になります。録音の際は、録音待機になっているトラックに録音されます。
インプットモニター	MIDI Thruのオン/オフを切り替えます。
アーカイブ	トラックは再生されず、有効にするには再生を停止する必要があります。トラックをアーカイブすると、再生時にCPUの負担はかからないので、異なるテイクを保存するために使用できます。
オートメーションの再生/記録	再生時にオートメーションを反映させる、コントローラの操作をオートメーションとして記録する機能のオンオフを切り替えます。
テイクレーン	テイクレーンの表示/非表示を切り替えます。
オートメーションレーン	オートメーションレーンの表示/非表示を切り替えます。
折りたたむ/展開する	トラックを展開してコントロールをさらに表示するか、トラックを折りたたんでヘッダーバーのみを表示します。
編集フィルター	グローバルツールを適用するデータの種類を指定します。
ボリューム（Vol）	プロジェクトの開始時におけるトラックのボリューム。0（消音）～127（最大値）まで調節可能。
パン	ステレオの定位調節。100%L（左いっぱい）～100%R（右いっぱい）まで調節可能。Cは中央。
ベロシティ+（Vel+）（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	再生時のベロシティの調節。元のノートに対して-127～+127の調節が可能（実際の出力は0～127）。
インプット	録音やインプットモニターをするときのオーディオデータの入力ポート。
アウトプット	トラックのデータの出力先。
チャンネル（Ch）（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	再生時のMIDIチャンネル。
バンク（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックで使用するバンクの指定。
パッチ（トラックインスペクタおよびコンソールビューのみ）	トラックで使用するパッチの指定。
タイム+（トラックインスペクタのみ）	トラック内のイベントのタイミング調節。
キー+（トラックインスペクタのみ）	再生時のトランスポーズ量の指定。（12で1オクターブあがる。出力はノートナンバー0～127）
コーラス（トラックインスペクタのみ）	コーラスレベル（CC#93）の値を指定します。
リバーブ（トラックインスペクタのみ）	リバーブレベル（CC#91）の値を指定します。
スケールの指定（トラックインスペクタのみ）	スケールにスナップ機能使用時のスケールを指定します。
スケールのルートノート（トラックインスペクタのみ）	スケールにスナップ機能使用時のスケールのルートノートを指定します。
スケールにスナップのオン/オフ（トラックインスペクタのみ）	スケールにスナップ機能のオン/オフを切り替えます。
WAI表示	トラックがコントロールサーフェスでコントロールされている場合に色分けされたバーを表示します。
トラックの色	トラックの色パレットが開き、トラックごとに任意の色を指定することができます。

トラックインスペクタにあるMIDIトラックのコントロールの詳細については、MIDIトラックとインストゥルメントトラックのコントロールを参照してください。

コンソールビューにあるMIDIトラックのコントロールの詳細については、MIDIトラックのコントロールを参照してください。

トラック名を変更する

1.	トラック名の表示をダブルクリックします。

2.	新しいトラック名を入力します。

3.	Enterキーを押します。

トラック名の初期値はトラック番号になります（Track 1など）。トラックを並べ替えてトラック番号が変化すると、自動的にトラック名も変更されます。

トラックビューの各表示部は、以下の方法で表示サイズを変更することができます。

表 30.  

目的	操作方法
トラック表示部/バス表示部の表示幅を変更する	トラック表示部とクリップ表示部の境界線を左右にドラッグします。
トラック表示部/バス表示部の表示高さを変更する	トラック表示部とバス表示部の境界線を上下にドラッグします。

トラックごとに表示/非表示や表示サイズをカスタマイズすることができます。またトラックの表示サイズを任意に変えることもできます。トラックの表示サイズを変える方法は以下のとおりです。

表 31.  

目的	操作方法
トラックの表示/非表示切り替え	Hキーを押してトラックマネージャーダイアログを開き、表示するトラックにチェックを入れます。
トラックを折りたたむ/展開する	トラックの折りたたむ/展開するボタンをクリックします。
トラックの表示を任意のサイズにする	トラックの下端にカーソルを移動し、カーソルが に変わったところで、上下にドラッグします。以後、元のサイズに戻すボタンをクリックするとこのサイズになります。
トラックの表示高さを固定する	トラック表示部でコントロールのない部分を右クリックし、表示されたメニューから、トラックの高さを固定を選択します。

トラックのパラメーターの一部だけを表示させることができます。トラックストリップに表示するコントローラを選択するには、トラックビューでのトラックの表示設定を参照してください。

トラック表示部でMIDIトラックのパラメーターを変更する

トラック表示部にあるパラメーターの値は、次の操作で変更します。

表 32.  

コントロール	操作方法
ボリュームとパン	色の付いたバーを左右にドラッグするか、クリックしたあとEnterキーを押し、値を入力する。
インプット、アウトプット	ダブルクリックするか、ドロップダウン矢印をクリックし、表示されたメニューから選択する。
ボタン	クリックしてオンまたはオフにする。

トラックのパラメーターの一部は、トラックインスペクタで変更することもできます。インスペクタの表示と非表示を切り替えるには、表示 > インスペクタを選択するか、Iキーを押します。

図90. トラックインスペクタ

複数のトラックのパラメーターを一度に変更する場合には、クイックグループ機能を使用します。

すべてのトラックの同じコントロールを調節するには、Ctrlキーを押した状態で、選択されていない任意のトラックのコントロールを調節します。

選択された同じ種類のすべてのトラックで同じ操作子を調節するには、Ctrlキーを押した状態で、選択されたいずれかのチャンネルストリップで操作子を調節します。

たとえば、複数トラックのアウトプットを同一の値に設定するような場合には、変更する複数のトラックを選択し、Ctrlキーを押した状態で、選択したいずれかのアウトプット操作子を設定します。選択されたすべてのトラックに同じアウトプット値が設定されます。

プロジェクトをCakewalkプロジェクトファイルまたはCakewalkバンドルファイル形式で保存した場合は、すべてのトラックパラメーターはそのまま記録されます。ただしプロジェクトをスタンダードMIDIファイル形式で保存した場合には、キー+、ベロシティ+、タイム+、チャンネルの各パラメーターについては、MIDIデータに反映されて出力されます。また、インプット、アウトプット、ミュート、ソロ、アーカイブの各パラメータの値は消失します。トラックのインプットと録音待機ボタンの詳細については、録音の準備を参照してください。

スマートスワイプトラックコントロール

1回のクリックとスワイプ操作だけで、複数のトラック間の同じコントローラーを有効または無効にできます。

1つのトラックでボタンをクリックしてから、マウスボタンを離さずに隣接するトラックに移動してドラッグするだけのシンプルな操作です。

スワイプしながらトラックストリップに触れるだけでコントローラを有効にできます。マウスポインターを実際のボタンの上に丁寧に合わせる必要はありません。

クリックしたボタンと同じボタンのみが有効になります。

スワイプ操作中、非表示のトラックは無視されます。

操作を開始したのと同じコントロール上でマウスボタンを離すと、スマートスワイプが有効になります。

スマートスワイプもタッチに対応したデバイスやスクリーンで連動します。

スマートスワイプもタッチに対応したデバイスやスクリーンで連動します。

トラックビューとコンソールビュー

ミュート

ソロ

録音待機

インプットモニター

オートメーションの再生

オートメーションの記録

アーカイブ

ラックのバイパス

センドオン

センドプリ/ポスト

波形プレビュー

位相

ステレオ/モノ切り替え

ProChannel Enable

ProChannelのバイパス

リンクチャンネル （ハードウェア出力）

ピアノロールビュー

ミュート

ソロ

録音待機

トラックの表示/非表示

トラックの編集の有効/無効

譜面ビュー

Mute

ソロ

録音待機

ステップシーケンサー

ミュート

ソロ