VSTの機能強化

新しいVSTプラグインのバックグラウンドスキャン

初期設定では、SONARはVSTプラグインの追加と削除を検出するため、バックグラウンドでサイレント検索を実行します。

SONARでVSTプラグインの検索が必要な場合は、環境設定ダイアログ（編集｜環境設定｜ファイル｜VSTプラグイン）で指定できます。設定可能なオプションは以下のとおりです。

自動バックグラウンド検索：SONARは、VSTプラグインの検索リストにあるフォルダのデータが更新されたり、検索パスが変更されたりしたことを定期的に検出することにより、フォルダの自動検索を実行します。

スタートアップを検索：VSTプラグインの検索リストにあるフォルダに新しいプラグインがSONARの起動時に検索されます。検索はバックグラウンドで実行されます。

手動検索：検索開始ボタンをクリックすると、VSTプラグインの検索リストにあるフォルダにある新しいプラグインが検索されます。

検索が完了すると、検索結果を知らせるトースト通知が画面の下部に表示されます（トースト通知を参照）。

バックグラウンド検索を使用するとSONARはより高速で起動できるようになり、検索の終了を待たずに作業を始められるようになります。新しくインストールされたVSTプラグインもSONARを再起動しなくても自動的に検出されます。

バックグラウンド検索は効率が良く合理的なので、すべてのプラグインを検索するのではなく、VSTプラグインフォルダの変更のみを検索します。

 

関連項目：

ファイル｜VSTプラグイン

VST3対応

SONARでは、VST2プラグインに加え、VST3オーディオエフェクトとインストゥルメントもサポートしています。

VST3プラグインは、次の点でVST2プラグインより優れています。

CPUパフォーマンスの向上：VST3プラグインは無音部分を検出し、入力信号がない場合は処理を自動的にオフにできます。これによって、処理は必要なときにのみ行われるようになるので、CPUをより効率的に使用できます。

オートメーション・メニューのパラメーターを論理的にグループ化： トラックの編集フィルタなど、すべてのオートメーション・メニューで、VST3プラグインのパラメーターはカテゴリ分けされた階層型リストで示されます。

サンプルの正確なオートメーション： プラグインがVST3サンプルの正確なオートメーションデータをサポートするようになったので、データの急激な変化にも正確に対応できます。

サイズを変更できるプラグインプロパティページ： VST3プラグインではウィンドウのサイズをより自由に変更できるようになりました。これにより画面をより柔軟な配置で使用できます。

バイパスの自動化： SONARはVST3の自動化されたホストバイパスのパラメーターをサポートしています。これによって、自動化によってVSTプラグインを有効および無効にできます。VST3プラグインがこのパラメーターを公開している場合、トラックの編集フィルターでホストバイパスパラメーターを使用でき、VSTプロパティページの左上隅にバイパス・ボタンが表示されます。

64ビット処理：VST3プラグインのほとんどで64ビットオーディオデータを処理できます。

 

メモ：上記の機能はプラグインの機能なので、プラグイン自体でその機能をサポートしている場合にのみ適用されます。プラグインがVST3フォーマットであっても、必ずしも上記の機能すべてがサポートされるわけではありません。

可能な場合、VST2プラグインをVST3に自動的に移行

VST2バージョンとVST3バージョン両方のプラグインを使用している場合、VST2プラグインを使うプロジェクトをロードしたときにVST3バージョンに自動的にアップグレードするように設定できます。

これを行うには、編集｜環境設定｜ファイル｜VSTプラグインを選択して、VSTへ移行セクションのプロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えを選択します。

SONARのプラグインメニューにそのVST2プラグインを今後表示する必要がなければ、関連したVST2プラグインを非表示を選択することもできます。

32ビット版と64ビット版のどちらのバージョンのSONARを使用しているか、また、プロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えオプションを選択しているかどうかに応じて、VSTプラグインがどのように移行されるかが変わります。VSTプラグインを含むプロジェクトを開いたときに想定されるプラグインの置き換え結果を次の表に示します。

 

VST2からVST3への移行 

ソース	SONAR x86（32ビット版）		SONAR x64（64ビット版）
	プロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えがオン	プロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えがオフ	プロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えがオン	プロジェクトを開くときにVST2プラグインを置き換えがオフ
VST2	使用可能な場合は32ビットVST3を、そうでない場合は32ビットVST2を使用	32ビットVST2を使用	使用可能な場合は64ビットVST3を、そうでない場合は64ビットまたは32ビットのVST2のうち使用可能なほうを使用	64ビットまたは32ビットのVST2のうち使用可能なほうを使用
VST3	32ビットVST3を使用	32ビットVST3を使用	64ビットVST3を使用	64ビットVST3を使用

メモ：VST3プラグインがSONARで機能するには、VST2からVST3への自動移行のサポートも必要です。

32ビットプラグインを等価な64ビットプラグインに置き換えるためのロジックの改善

SONARは、32ビットプラグインを非表示にして同等の64ビットプラグインに置き換えるためのロジックを備えています。64ビットバージョンのSONARは、64ビットバージョンのプラグインが使用できる場合は、すべての32ビットプラグインを自動的に非表示にします。

MIDI出力

一部のVSTオーディオFXとインストゥルメントではMIDIイベントを生成できます。SONARではそのようなプラグインを完全にサポートし、MIDI出力を使用オプションを表示します。このオプションはサポート対象のVSTプラグインではデフォルトでオンになっており、VSTプラグインのプロパティ・ダイアログボックスで設定できます。

VSTプラグインのプロパティ・ダイアログを開くには、次のいずれかを実行します。

プラグインプロパティページのツールバーでVSTボタンをクリックして、ドロップダウンメニューからプラグインのプロパティを選択します。

Cakewalkプラグインマネージャ（ユーティリティ｜Cakewalk Plug-in Manager）で目的のVSTプラグインを選択して、プラグインのプロパティ・ボタンをクリックします。

モノラルのVSTプラグインのサポート

SONARはモノラルのVSTプラグインを完全にサポートしています。サイドチェイン可能なモノラルのプラグインは、SONARにモノラルのサイドチェイン入力も表示します。

メモ：トラックのFX欄の最初のエフェクトがモノラルのプラグインの場合、トラックのステレオ/モノ切り替えボタンをステレオに設定することはできません。詳細については、トラックのモノ/ステレオ切り換えを参照してください。

オートメーションエンベロープ・ツールチップに動的なパラメーター値が表示される

オートメーションエンベロープ編集時に、ツールチップに動的なパラメーター値が表示されます。

プラグインブラウザにプラグインがフォーマットごとに一覧表示される

デフォルトのプラグインメニューレイアウト（デフォルト-すべてのプラグイン）では、次のようにフォーマット別にプラグインが一覧表示されます。

Built In

FX Chain

外部インサート

VST3

カテゴリ1

カテゴリ2

その他

VST2

DirectX

VST3プラグインはカテゴリ別にサブフォルダに分けられます。複数のカテゴリに属するプラグインは各カテゴリのサブフォルダに示されます。代わりにVST3プラグインをフォルダ階層でソートするには、ブラウザのプラグインタブのドロップダウンメニューをクリックし、カテゴリでVST3プラグインを並べ替えオプションをオフにします。

ブラウザにはプラグインタイプ（VST2、VST3、DirectX、64ビット、32ビット）を示すわかりやすいアイコンも表示されます。

ブラウザのステータスバーには選択したプラグインのプラグインタイプ、製造元、バージョン番号などの詳細情報が表示されます。

メニューに表示されるプラグイン数は無制限

旧バージョンのSONARでは、プラグインメニューに最大735のオーディオプラグインと最大255のプラグインシンセが一覧表示されました。プラグインマネージャを使用してカスタムプラグインメニューレイアウトを作成しない限り、この制限を超えるプラグインはメニューには表示されませんでした。

SONAR X3では、このプラグイン数の上限を超えるとプラグインメニューでプラグインタイプ名の後に省略符号が表示されます（オーディオFX...やプラグインシンセ...）。メニュー・コマンドをクリックするとポップアップ・メニューが開いて、インストールされたプラグインの完全な一覧が表示されます。

ヒント：VST2バージョンとVST3バージョン両方のプラグインを使用している場合、プラグインメニューのサイズを制限するため、重複するVST2プラグインは自動的に非表示にするようSONARを設定できます。詳細については、可能な場合、VST2プラグインをVST3に自動的に移行を参照してください。

 

関連項目：

プラグインブラウザの使用

プラグインの管理

SONAR X3の新機能について