コントローラの動きを記録する

曲の再生中にスタジオウェアのコントローラを動かして、コントローラのレベルやスタジオウェア操作に適応する他のMIDI動作を調節することができます。さらに、スタジオウェア上のコントローラの変更を、プロジェクトの一部として記録することができます。変更を記録して自動的に再生することをオートメーションといいます。

コントローラの動きを記録する方法は2つあります。

 

表 245.  

方法	動作
スナップショット	すべてのコントローラの値を設定して、これらの設定の「スナップショット」を現在タイムで作成します。プロジェクトを再生すると、設定した現在タイムになった時すべてのコントローラが設定のとおりに動作します。
リアルタイムレコーディング	コントローラを好きなように動かして、それをプロジェクトの一部として記録します。プロジェクトを再生すると、コントローラは記録されたとおりに動きます。

スナップショットは、たとえばプロジェクトにたくさんの異なった種類のセクションがあり、それらの間に急な変化を付けたい時に有効です。

また、2つ目の方法は、あるセクションから別のセクションにスムーズに移行したい場合に最適です。たとえば、MIDIピアノをゆっくり変調したり、ミキシングコンソールのフェーダーをゆっくり動かしたりすることができます。これらの変更を記録すれば、その変更は曲の流れにしたがって自動的に再現されます。

スタジオウェアでは、オートメーションのデータを何度でも記録し直すことができます。コントローラに対する新たな動きを記録すると、そのコントローラの古いイベントに上書きされます。この場合、他のコントローラの動きが影響を受けることはありません。自分の希望する動きが得られるまで何度でも動きを記録し直すことができます。また、ピアノロールビューのノート表示部でオートメーションデータを編集することもできます。

スタジオウェアビューのツールバーには、記録とオートメーションの制御に使われる3つのツールがあります。

 

表 246.  

アイコン	ツール	機能
	アップデート	再生中、またはスタジオウェアがMIDIデータを受信した時に、自動的にスタジオウェアのコントローラを更新します。
	スナップショット	すべてのコントローラの現在位置のスナップショットを記録します。
	録音	すべてのコントローラの動きをリアルタイムで記録します。

ほとんどのスタジオウェアパネルは、MIDIデータの送受信ができるよう設計されています。これは、次の2つを意味します。

外部MIDIデバイスのつまみ等を動かすと、スタジオウェアパネルにその変更が伝わります。

オートメーションデータを含むプロジェクトを再生すると、スタジオウェアにはオートメーションの変更が伝わります。

スタジオウェアビューのツールバーのアップデートボタンは、プロジェクトでのデータ変更がスタジオウェアで再生されるかどうかを示します。このボタンを押して、外部MIDI機器のオートメーションのパラメーターとその変更がスタジオウェアに確実に表示されるようにしてください。そのような変更を目で確認する必要がない場合は、このボタンが押されていない状態にしてください。

再生中にスナップショットを実行するときは、アップデートを無効にする必要があります。スナップショットが完了するには多少の時間がかかるため、その間にアップデートによってコントローラの位置が動くと、正確な位置でのスナップショットができません。

また、リアルタイムにコントローラの動きを記録する場合、コントローラが既に記録されているイベントを示すよう、アップデートを有効にしたほうが良いでしょう。

リンクされたクリップを含むトラックに、リアルタイムにオートメーションデータを記録すると、そのクリップのリンクは自動的に解除され、オートメーションデータはリンクされた他のクリップには適用されません。たとえば、4つのリンクされたクリップに保存され、連続して演奏されるある楽節の4回の反復があるとします。これらの4つのクリップのフェードアウトを記録すると、4つのクリップは自動的に4つの個別のクリップに分割され、それぞれのクリップはフェードの1部分のオートメーションデータを持つことになります。

リンクされたクリップを含むトラックのコントローラの位置のスナップショットを記録すると、クリップはリンクされたまま残り、スナップショットはリンクされたクリップのすべてのコピーに適用されます。

記録したオートメーションデータが満足のいくものでない場合は、編集 > 元に戻すコマンドを使って削除することができます。

スタジオウェア内で記録したオートメーションデータは、ピアノロールビューのノート表示部やイベントリストビューで表示、編集することができます。コントローラ表示部の詳細については、コントローラ、RPN、NRPN、オートメーションデータを参照してください。イベントリストビューの詳細については、イベントリストビューを参照してください。

停止中にスナップショットを記録する

1.	現在タイムを、プロジェクト内でエフェクトを加えたい位置に設定します。

2.	コントローラを設定したい値まで移動させます。

3.

をクリックします。

これにより、その時のコントローラの設定が記録されます。

現在タイムがプロジェクトの先頭にある場合にスナップショットを使うと、その値がトラックパラメーターとなります。

再生中にスナップショットを記録する

1.	スタジオウェアツールバーのアップデートボタン が押されていない状態にして、アップデート機能を無効にしておきます。

2.	現在タイムを、設定を記録したい箇所の数小節あるいは数秒前に移動させます。

3.

再生を開始します。

4.	設定を記録したい箇所になったら、スナップショットボタンをクリックします。

これにより、その時のコントローラの設定が記録されます。

リアルタイムにコントローラの動きを記録する

1.	スタジオウェアツールバーのアップデートボタン が有効になっていることを確認します。

2.	スタジオウェアツールバーの ボタンが押され、記録が有効になっていることを確認します。

3.	現在タイムを、コントローラの調整を記録したいタイムの数小節または数秒前に設定します。

4.	トランスポートツールバーの再生ボタン をクリックして再生を開始します。

メモ：コントロールバーのトランスポートモジュールの録音ボタンを押さないでください。

5.	再生中、コントローラを調節します。スタジオウェアビューの がオンになっていると再生時にも記録されます。

6.	トランスポートツールバーの停止ボタン をクリックして、リアルタイム録音を止めます。

7.	スタジオウェアビューのツールバーの ボタンをクリックして、リアルタイムレコーディングをオフにします。

再生中に行ったコントローラの操作が記録されます。