図605. (オーディオ)オプションセクションオプションセクションでは、録音と再生に影響するさまざまな設定を指定できます。オプションセクションには、次の設定項目があります。
ドライバモード:WASAPI排他、WASAPI共有、WDM/KS、ASIOまたはMMEから選択できます。お使いのオーディオデバイスの対応状況に合わせて設定してください。WASAPI共有を使用すれば、Windowsやその他のプログラムとオーディオデバイスを共有できます。WASAPI排他を使用すれば、低レイテンシに対応できます。WASAPIはオンボードのオーディオデバイスでの使用に適しています。ASIOドライバーを備えたプロ仕様のオーディオデバイスを利用している場合には、ASIOを使用します。
ディザリング:高いビット数のデジタルオーディオを低いビット数に変換する際は、元の信号には含まれない量子化ノイズやひずみが加わるのを防ぐためにディザリング処理をすることが必要です。ディザリング処理では、量子化ノイズやひずみを軽減するために、ごくわずかなノイズや、あるいは「ディザ」信号を加えます。ディザ信号にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴をもっています。SONAR Producer Editionには、高ビットのオーディオを音楽CDに使われる16bitにダウンコンバートする際に、ダイナミクスを維持しつつノイズの少ない最適化されたオーディオを生成することのできるPow-r(Psychoacoustically Optimized Wordlength Reduction)ディザリングが搭載されています。ディザリングを有効にしているときは、高ビットのプロジェクトからオーディオファイルをエクスポートする、ユーティリティ > オーディオフォーマットの変更コマンドで、プロジェクトのビット数を低くする、バウンス、フリーズ、エフェクトの適用といったオーディオのレンダリングの際にディザリングの処理が行われます。このオプションがNone以外になっていると、ディザリングがオンになります。録音、インポート、レンダリング(バウンス、フリーズ、エフェクトの反映)のビットオーディオのビット数は、編集 > 環境設定 > ファイル > オーディオデータで、エクスポートのビットオーディオのビット数は、オーディオのエクスポートダイアログボックス(ファイル > エクスポート > オーディオコマンド)で指定できます。SONAR Producer Editionでは、以下の種類のディザリングを使用することができます。
Rectangular:典型的なホワイトノイズを使用します。欠点:相互変調ひずみが比較的大きい。
Triangular:Rectangularより強いホワイトノイズを使用します。利点:低CPU負荷、Rectangularより小さい相互変調ひずみ。レンダリングなど繰り返しディザリング処理をする(バウンス/フリーズ)場合はPow-rよりもよい。欠点:Pow-rよりもS/N比が悪い。
Pow-r 1(Platinumのみ):特徴的なスペクトルのノイズ。利点:Pow-r 2/3より低CPU負荷、聴感上はRectangular/Triangularより高S/N比。欠点:Pow-r 2/3よりも聴感上のノイズが大きい、レンダリングなど繰り返しディザリング処理をする(バウンス/フリーズ)場合は不適。
Pow-r 2(Platinumのみ):特徴的なスペクトルのノイズ。利点:聴感上のノイズは最も小さい。もっとも高音質が期待できる。オーディオのエクスポートなどに適。欠点:高CPU負荷、レンダリングなど繰り返しディザリング処理をする(バウンス/フリーズ)場合は不適。
Pow-r 3(Platinumのみ)CPU負荷を除いて、Pow-r 2と同じ傾向。
SONARがフォーカスしてないときオーディオエンジンを一時停止する:SONARが停止中で、他のオーディオアプリケーションのバックグラウンドで動作しているとき、他のアプリケーションでオーディオデバイスを使用できるようにオーディオエンジンの停止を許可します。SONARをReWireホストとして動作させる場合は、このオプションにチェックしないでください。
マルチプロセッサの処理を有効にする:このオプションは、マルチプロセッサ(またはハイパースレッディング対応プロセッサ)を搭載したコンピュータでのみ有効になります。このオプションにチェックをすると、SONARのオーディオエンジンはDSPの処理タスクを各プロセッサに分散します。オフの状態でも、2つのCPUはオーディオエンジン以外の処理で使用されます。
MMCSSを使用する: Windows 7 以降で、SONARなどのリアルタイムアプリケーションのリソースのスケジューリング(スレッドのスケジューリング)の優先度を高くします(チェックしたままにしてください)。
常にオーディオデータをFXに送出:いずれかのトラックまたはバスにアクティブなプラグインエフェクトが含まれている場合、トラックにオーディオデータがなかったり、インプットモニター/Thruがオンであったとしても、オーディオエンジンがアクティブになり、エフェクトからは無音が流れます。通常このオプションをオフにするのは、エフェクトを含む空のオーディオトラックが多数あるプロジェクトを再生する際に、CPU処理を節約する場合のみです。このオプションをオンにすると次のようなメリットがあります。
常にすべてのデバイスをオープンする:オンにすると、オーディオエンジンの動作開始時に、SONARから使用可能なオーディオデバイスのすべてをオープンします。プロジェクトで使用されていないオーディオデバイスに対しては無音の情報を送り続けます。これにより、再生中に新たなメインを使用する場合でも音切れが発生しなくなります。
録音時にDCオフセットを除去:録音時に、オーディオに含まれるDCオフセットを除去します。詳細については、DCオフセットの除去を参照してください。
再生中インプットモニターを無効にする:このオプションは初期設定ではオフです。有効にすると、再生中すべてのトラックでインプットモニターを有効にしますが、録音中は無効になります。
オーディションタイム [sec]:オーディオデータの編集ダイアログや、オーディオFXの設定ダイアログでオーディションボタンをクリックした際の試聴時間を設定します。
録音用ファイル領域の確保 [sec]:このオプションに0より大きな値を設定すると、指定したサイズ(秒単位)の録音したいファイルの領域をあらかじめ割り当てておくことができます。これにより、録音中に割り当てたサイズになるまで変更ができなくなります。録音中にディスクの動作が低減する可能性があり、複数のトラックに対応します。有効な範囲は、0から14400秒までで、デフォルト値は0です。推奨値は10分(600秒)から30分(1800秒)までです。
演奏開始時にフェードイン(msec):このオプションに0より大きな値を設定すると、再生開始時に指定した時間をかけて徐々にフェードインします。有効な範囲は0~100000で、デフォルト値は0です。
演奏停止時にフェードアウト(msec):このオプションに0より大きな値を設定すると、再生停止時に指定した時間をかけて徐々にフェードアウトします。有効な範囲は0~100000で、デフォルト値は0です。
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